建売住宅が最大1,400万円値下げ。不動産市況の変化と業者選びで重視すべきこと
みなさん、こんばんは。
難あり物件コンサルタントの田中です。
今日は午前中から、神奈川県内にある土地の買取りに向けて、売買契約書と契約明細書を作成しました。
午後は関内にある宅建協会横浜東部支部の事務所で財務委員会に参加。
夕方からは青山学院大学へ移動し、不動産大学連盟の運営委員会、理事会、懇親会に出席しました。
契約実務、業界団体の運営、同業者との交流という、不動産業務の異なる側面に触れた一日でした。
【土地買取りにおける契約書作成の注意点】
土地の売買契約書を作成する際には、登記簿上の表示と売買対象を記載するだけでは不十分です。
特に買取り案件では、次のような点を事前に整理します。
* 公簿売買か実測売買か
* 境界が確定しているか
* 越境物や被越境物があるか
* 地中埋設物や残置物の取扱い
* 古い建物や未登記建物の有無
* 引渡しまでに売主が行う作業
* 契約不適合責任の範囲
* 固定資産税等の清算方法
* 所有権移転に必要な条件
当社が取り扱う物件には、再建築不可、私道、借地、底地、市街化調整区域、境界未確定など、一般的な不動産よりも確認事項の多い案件があります。
売買契約書の特約は、物件の調査結果や当事者間の合意を正確に反映させなければなりません。
曖昧な表現を残したまま契約すると、引渡し時や取引後の不動産トラブルにつながる可能性があります。
販売活動だけでなく、契約条件を整理する能力も、不動産会社を選ぶうえで重要な要素です。
【宅建協会の財務委員会に参加】
午後からは、宅建協会横浜東部支部の財務委員会に参加しました。
財務委員会では、支部活動に関する予算や支出、今後の運営方針などを確認します。
宅建協会は、研修、相談業務、消費者保護、会員支援など、さまざまな活動を行っています。
こうした活動を継続するためには、事業内容だけでなく、適切な財務管理も必要です。
不動産実務とは異なる業務ですが、業界全体の信頼性を維持するための重要な役割だと考えています。
【不動産業者同士の交流で感じた営業スタイルの違い】
夕方から参加した不動産大学連盟の運営委員会、理事会、懇親会では、さまざまな不動産会社の方とお会いしました。
地域会では、比較的ゆるやかな関係性の中で情報交換ができました。
一方、運営委員会や理事会には、営業意識が高く、積極的に人脈形成を進める方が多い印象を受けました。
短時間で多くの人と名刺交換をし、新たな案件や取引先を開拓する方法も、不動産業界では一般的です。
ただし、不動産取引を共同で進める場合には、相手の会社規模や実績だけでなく、担当者の考え方や仕事への姿勢を確認する必要があります。
特に共同仲介や物件紹介では、次のような点が重要です。
* 物件情報を正確に伝えるか
* 不利な情報も開示するか
* 約束した期限を守るか
* 問題が発生した際に責任を持って対応するか
* 売主・買主の利益を考えた行動ができるか
名刺交換をしただけでは、これらはわかりません。
私自身は、多くの方と表面的につながるより、少人数の方と時間をかけて話し、相手の人となりを理解してから仕事をしたいと考えています。
【建売業者から届いた大幅値下げのメール】
前日、取引先の建売業者から、完成物件の販売価格を見直したというメールが届きました。
その内容は、夏休み前までに全棟完売することを目指し、当初価格から最大1,400万円値下げした物件もあるというものでした。

購入者にとっては、販売価格が下がることは好材料です。
一方、不動産事業者の立場では、完成物件の在庫が想定どおりに販売できていない可能性を考えます。
建売事業では、一般的に次の費用が先行して発生します。
* 土地仕入れ代金
* 仲介手数料や登記費用
* 造成工事費
* 建物の建築費
* 設計・確認申請費用
* 借入金利
* 販売広告費
* 完成後の維持管理費
完成物件が売れなければ、投入した事業資金を回収できません。
金融機関から融資を受けている場合には、販売期間が長くなるほど金利負担が増えます。
また、在庫が残っていると次の用地仕入れにも影響します。
そのため、一定期間で売れない物件について、利益を減らしてでも価格を見直し、資金を回収することがあります。
今回の最大1,400万円という値下げ幅からは、建売業者が在庫処分を急いでいる可能性を感じました。
【建売住宅が値下げされると難あり物件はどうなるか】
現在の不動産市場では、すべての物件が売れなくなっているわけではありません。
駅に近い物件、利便性の高い住宅、需要に見合った価格設定の不動産は、引き続き売却できています。
しかし、物件ごとの売れ行きには明確な差が生じています。
一般的な建売住宅が大幅に値下げされた場合、次のような不動産には影響が及ぶ可能性があります。
* 再建築不可物件
* 接道幅が不足している土地
* 私道持分のない物件
* 借地権付き建物
* 底地
* 市街化調整区域の土地
* 分家住宅
* 農地
* 山林
* 老朽化した空き家
* 共有持分のみの不動産
こうした物件は、もともと購入可能な人や利用方法が限られています。
さらに、住宅ローンが利用できない物件もあります。
条件のよい新築住宅や中古住宅が値下げされれば、買主があえて問題のある物件を選ぶ理由は弱くなります。
難あり物件を売却するには、単に周辺相場より安くするだけでなく、利用目的や購入者層を具体的に設定する必要があります。
【市況が変化する前に確認すべき売却戦略】
不動産市況が不安定な時期に、売主が最も注意すべきことは、査定価格と売却可能価格を混同しないことです。
不動産会社が提示する査定額は、売却を保証する金額ではありません。
高い査定額で販売を開始しても、買主からの反応がなければ成約には至りません。
売却前には、少なくとも次の点を確認しておく必要があります。
1.物件の法的・物理的問題を調査する
接道、用途地域、建築制限、私道の権利、境界、越境、擁壁、土砂災害区域などを確認します。
2.想定する買主を明確にする
一般の住宅購入者、投資家、隣地所有者、農家、事業者、不動産会社など、物件ごとに買主候補は異なります。
3.仲介と買取りを比較する
仲介は高く売れる可能性がありますが、販売期間や契約条件が不確定です。
買取りは価格が低くなる傾向がある一方、早期売却や契約条件の調整がしやすい場合があります。
4.所有を続けるリスクも計算する
固定資産税、管理費、草刈り、建物の修繕、倒壊や越境による近隣トラブルなども考慮します。
5.価格変更の基準を事前に決める
一定期間で問い合わせや内見がなかった場合、どの時点で価格や販売方法を見直すか決めておくことが大切です。
【不動産市況が不安定な時ほど担当者の姿勢が重要】
市況がよい時期には、物件自体の力で売却できることがあります。
一方、市況が悪化した場合には、不動産会社の調査力、査定力、販売力、契約実務の精度が問われます。
また、共同仲介や買取りでは、取引相手となる不動産業者の人となりも重要です。
営業力が強いことと、誠実に取引を進めることは、必ずしも同じではありません。
誰と仕事をするかを判断する際には、名刺や肩書だけでなく、実際に話をして、その人の考え方や対応姿勢を確認する必要があります。
今回の会合と建売業者からの値下げメールを通じて、改めて感じたことがあります。
不動産市況が荒れている時ほど、物件だけでなく、人を見ることが重要になる。
売却価格や査定額だけで判断せず、問題が起きた時にも責任を持って対応できる不動産会社を選ぶことが、結果的に安全な取引につながると思います。(^^)
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