困った不動産・ワケアリ物件の駆け込み寺

売れない物件を売却すべく、日々、仕事を楽しみながら思ったことを掲載してしています

 毎年増える売れない困った不動産、ワケアリ物件に対処すべく、特殊なノウハウを駆使し、北は北海道、南は沖縄県まで実際にご相談いただいたことや不動産トラブルにならないための方法、ノウハウを掲載しています。日々、私には他社さんで売れない不動産と言われてしまったお客様からのご相談をいただき、実際にそういった負動産を売却しております。そのため、「困った不動産・ワケアリ物件の駆け込み寺」となっております。こちらのブログにはその駆け込み寺への実際にあったご相談について掲載させていただいております。

横浜市金沢区の建築不可土地をどう売った?農地転用・地目変更・地上権・分筆から畑として再生するまで

難あり物件コンサルタント 田中裕治

横浜市金沢区富岡西2丁目で取り扱った、農地・山林の案件。


今回の土地は、不動産実務の観点から見てもかなり特徴の多い物件でした。


市街化区域内にありながら建築不可。


車両の進入もできない。


水道等の設備引込みもない。


農地部分は耕作されなくなり、山林部分には大木。


さらに土地の地下には京浜急行線が走っていました。


一般的な住宅用地として査定するだけでは、出口を見つけるのが非常に難しい土地です。


■まず確認したのは「本当に建築できないのか」


こうした案件で大切なのは、


「どうせ建てられないだろう」


と最初から決めつけないことです。


現地を確認したうえで役所をまわり、建築の可能性について協議しました。


しかし今回は接道要件を満たす方法を見つけることができず、もともと建物が存在していた土地でもなかったことなどから、最終的には建物を新築できない土地であることが判明しました。


厳密には、「既存建物を建て替えられない」という意味の再建築不可ではなく、今回の場合は「そもそも建築できない土地」です。


この違いも実務では重要です。


■農地は、そのまま買い取ればよいわけではない


所有者様は早期の処分を希望されていましたが、対象地には農地が含まれていました。


そこで農業委員会へ農地法第5条の転用届出を行い、受理された後に当社が購入。


購入後、土地家屋調査士へ依頼して測量を実施しました。


さらに実際に資材置場として利用し、農地部分について地目変更登記を行い、雑種地へ変更。


土地の法律上・登記上の状態を一つずつ整理していきました。


■地下を鉄道が走ることを「マイナスだけ」で考えない


もう一つ特殊だったのが、土地の地下を京浜急行線が走っていたことです。


通常なら、


「地下に鉄道があるから売却しづらい」


と考えてしまいます。


ただ、反対側から考えてみました。


鉄道事業者からすれば、その土地の地下を継続して利用する必要があります。


そこで京浜急行電鉄へ土地の買取りを打診。


土地そのものの買取りには至りませんでしたが、区分地上権を設定したいとの回答をいただき、地上権設定契約を締結しました。


その際、保証金も受領しています。


難しい条件でも、関係者それぞれの立場から考えてみると、別の解決方法が見えることがあります。


■地域の抜け道をどうするか


さらに、土地の一部は近隣住民の方々が駅へ向かう抜け道として利用していました。


所有権が第三者へ移れば、将来的に通行できなくなる可能性があります。


そのため土地の分筆を実施し、自治会長へ、


「通路部分を自治会で引き受けてもらえないか」


と相談しました。


自治会側の意向は、


「通行は今まで通りしたい。ただ、土地を所有する必要はない」


というもの。


そこで最終的には、買主様との売買契約の中で、近隣住民が今後も通路として利用できるよう取り決めることにしました。


不動産取引では所有者と買主だけを見ればよいわけではありません。


長年の地域利用や近隣関係も確認しておかないと、売却後にトラブルとなる可能性があります。


■住宅用地として売らず、「使い方」を売る


問題を整理して販売を開始しましたが、やはり簡単ではありませんでした。


問い合わせがあっても、


「車が入らない」


「水道がない」


などの理由で見送られます。


当然だと思います。


住宅用地として探している方には適していないからです。


ここで大切だったのが、


「何を建てられるか」


ではなく、


「この土地で何ができるか」


へ発想を変えることでした。


そこで家庭菜園やガーデニングなど、土地そのものを楽しむ利用方法を意識して販売。


すると比較的近隣にお住まいの方から、


「昔、畑をやっていたので、ここで野菜や果物を作りたい」


というお話をいただきました。


建物を建てる必要がない。


車で入れなくても構わない。


この土地を「畑」として見てくださった買主様でした。


最終的には2区画まとめてご購入いただき、無事に取引完了。


■取引後の土地を見て思ったこと


その後、近くを通ったため現地へ立ち寄りました。


以前は草木が生い茂っていた土地が、きれいな畑になっていました。



青々とした野菜や果物が育っている。


不動産実務としては、


農地転用、測量、地目変更、地上権設定、分筆、売買契約上の通行条件……


いくつもの論点があった案件です。


ただ、最後に現地を見た時に一番強く感じたのは、法律や登記とは別のことでした。


前所有者様にとっては、将来に不安を感じる土地だった。


買主様にとっては、野菜や果物を育てられる楽しみの場所になった。


近隣住民の方々にとっては、これまで通り駅への近道を使える。


結果的に三者それぞれにメリットを残すことができました。


■売れない土地ほど「誰に売るのか」が重要


再建築不可や建築不可の土地を扱っていると、


「この土地はいくらですか?」


という質問をよくいただきます。


もちろん価格は大切です。


しかし、難しい土地ほど、それ以上に重要なのが、


「誰が何の目的で使うのか」


だと思っています。


住宅を建てたい人には価値が低い土地でも、畑をしたい人には価値がある。


車が入らないことが致命的な人もいれば、徒歩で通える近隣の方なら問題にならない。


不動産の市場性は、土地だけを見ていてもわかりません。


「この土地を必要としている人は誰なのか」


そこまで考えて初めて出口戦略が見えてきます。


そしてこの案件の最後は、私にとっても嬉しいものでした。


「早く手放したい」と思われていた土地が、今では野菜や果物が育つ場所になっています。


誰かにとっての負担だった不動産が、


別の誰かにとっては大切な場所になる。


今回も、そんな「不動産による縁結び」ができました。


難しい不動産でも、問題を分解し、一つずつ整理していけば、思いもよらない出口が見つかることがあります。


土地も人も、最後は良いご縁にたどり着ける。


そんなことを改めて実感した、横浜市金沢区の案件でした。(^^)

葉山町の土地売却と不動産買取の契約から考える、条件整理と信頼関係

難あり物件コンサルタント 田中裕治

 みなさん、こんばんは。

難あり物件コンサルタントの田中です、ら


 今日は、当社が売主となる葉山町の土地の売買契約と、当社が買主となる不動産買取の契約を行いました。


朝には、明日引渡し予定の横浜市戸塚区の土地についても書類を作成。売却・買取・引渡しという異なる場面に関わり、条件の整理と当事者同士の対話の大切さをあらためて感じました。


■ 建物が建てられない土地を、引渡しまで進める


戸塚区の土地は、以前お稲荷さんがあった場所で、建物を建てることができません。今回は、その土地が引渡しを迎える段階まで進んでいます。


この事実は、建物が建てられない土地でも、売却の可能性を最初からゼロと決めつける必要はないことを示しています。ただし、同じ制約がある土地なら、どれも売れるという意味ではありません。


実務上、私が大切だと考えるのは、「何ができないか」に加えて、「どのような条件なら使えるか」を整理することです。


一般的な検討事項としては、建築できない理由、利用できる範囲、出入りの条件、維持管理の負担、購入後に必要となる費用などがあります。これらは物件ごとに異なり、今回の土地ですべてを調査したという説明ではありません。


売り手が期待する使い方と、実際にできる使い方にずれがあれば、取引後の行き違いにつながります。制約のある土地ほど、価格の合意とともに、利用条件の理解をそろえることが大切です。


■ 売主の立場で感じた、対面することの意味


午後は平沼橋の住宅展示場で、葉山町の土地の売買契約を行いました。当社は売主で、仲介業者のご担当者にもお世話になりました。


契約時の雑談では、買主様やご担当者との共通点がわかり、お人柄に触れることができました。


実際に買主様とお会いして、素敵な方だと感じると、売主として安心します。


もっとも、人柄への安心感と、契約条件の確認は別のものです。良い関係だからこそ、曖昧な点を残さず、必要な事項は書面で共有する。この両方が、契約後の手続きを円滑に進める土台になると考えています。


■ 買取の相談につながった、具体的な検索


その後は電車で神田へ移動し、当社が買主となる、少し癖のある物件の買取契約を行いました。こちらも無事に終了しました。


ご相談のきっかけは、インターネットで「横浜市で崖に強い不動産会社」を調べたことだったそうです。


今回のお話から感じたのは、相談者は単に近くの不動産会社を探しているだけでなく、「自分の物件の課題に対応できそうな会社」を探している、ということです。


不動産会社が専門分野を発信するときも、物件種別を並べるだけでなく、どのような問題に対し、何を確認し、どう判断したのかを伝えることに意味があると感じます。


今回、検索で当社を見つけていただいたことは確認できましたが、どの記事やページが決め手だったかまではわかりません。それでも、専門分野を伝える発信が相談先を探す方との接点になることを、実感できた出来事でした。


■ 契約の先まで、良いご縁をつなぐ


今日は、売主と買主の両方の立場で契約に臨みました。


立場が変わっても、物件の条件を共有し、相手の考えを理解し、約束した手続きを進めることの大切さは変わりません。


契約は一つの節目であり、その後には引渡しまでの対応が続きます。良い出会いを、最後まで安心できる取引につなげていきたいと思います。


明日は、戸塚区の土地の引渡し。

今日の良縁に感謝しながら、引き続き丁寧に取り組みます。(^^)



株式会社リライトは、横浜を拠点に、崖のある土地や空き家など、全国の売却が難しい不動産のご相談に対応しています。売却や買取の可否は、物件ごとの条件を確認して検討します。


会社ホームページ

https://www.relight.co.jp/⁠


同じようなお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。(^^)

熱海の崖崩れ被災物件を現地確認|所有者として考える、被害の把握と今後の判断

難あり物件コンサルタント 田中裕治

 みなさん、こんばんは。

難あり物件コンサルタントの田中です。


 今日は朝9時から丸の内で弁護士の先生と打ち合わせを行い、その後、新幹線で熱海へ。

当社が所有する、崖崩れで被災した戸建の現地確認と打ち合わせを行いました。


今回の現地確認で改めて感じたのは、「目にした被害」「現地での実感」「専門的な判断」を分けて整理することの大切さです。


■現地で感じた被害の大きさと、建物利用の判断


熱海駅周辺は観光客でにぎわっていました。新幹線での移動も短く感じ、アクセスのよさを実感しました。


一方、被災した戸建の状況は厳しいものでした。



被害は思っていた以上に大きく、窓やドアがしっかり閉まらない状態もあります。


「この建物は、もう使えないのではないか」


これが現地を見た私の率直な感想です。

ただし、この感想と、建物の安全性や使用の可否に関する専門的な結論は、分けて考えなければなりません。


不動産の仕事で現場を見る機会が多くても、それだけで建物の状態をすべて判断できるわけではありません。今後の利用や対応方針については、専門家の確認を踏まえて検討していきます。


■今後の方針を決めるために、何を整理するか


今回、仲介の立場ではなく、被災した不動産の所有者として対応しています。


所有者としては、早く先の見通しを立てたいところです。ただ、現段階で利用方法や処分方針を決めつけることはできません。


私が今後の判断に向けて大切だと考えるのは、次の点です。


・安全を優先し、無理のない範囲で被害状況を記録すること。

・確認できた状態と、原因など未確認の事項を分けること。

・建物の使用の可否や必要な対応について、専門家の確認を得ること。

・確認結果をもとに、費用や期間も含めて今後の選択肢を比較すること。


これらは、すべての確認が完了したという報告ではありません。今後の方針を考えるうえでの整理です。


出口戦略、つまり最終的にその不動産をどう利用し、どう保有・売却していくかを考えるにも、まずは現在の状態を把握する必要があります。


街に人が集まっていることと、その物件を安全に利用できることは、別々に確認すべき条件です。熱海駅のにぎわいと被災物件を続けて見たことで、その点も強く印象に残りました。


■所有者の不安を減らすには、次の確認事項を明確にする


普段、空き家や崖地などの売却相談を受けていても、所有者自身が「どこに相談し、何を確認すればよいか」を整理できていないことがあります。


今回、自分たちが所有者として対応するなかで、先が見えないこと自体が大きな負担になると改めて感じました。


すぐに結論を出せない場合でも、何がわかっていて、何が未確認なのか。そして、次に誰に何を確認するのかを明確にする。

その積み重ねが、所有者にとっての見通しにつながると考えています。


■不動産売買の「ご縁」は、日々のつながりから


熱海から帰社して事務作業を行った後、夜は武蔵小杉へ。スタッフの伊藤と、大手銀行系不動産会社の方々との会食に参加しました。


さまざまなお話を伺い、改めて感じたのは「不動産売買はご縁」ということです。


実務では、物件の条件を調べることに加えて、その条件を理解し、必要としてくれる相手とどう出会うかも大切です。


特に売却が難しい不動産では、価格の調整だけで話が進むとは限りません。利用目的が合う相手に情報を届けること、その前提として物件の条件を正確に整理することが重要だと考えています。


同業者との日々の交流も、そうした出会いの可能性を広げる機会です。

今回は具体的な成約の報告ではありませんが、人とのつながりを大切にする意味を改めて感じる、有意義な時間になりました。


熱海の物件は、引き続き対応中です。

厳しい状況にも一つずつ向き合い、確認と対話を重ねながら、次の方針を考えていきます。


株式会社リライトでは、全国の空き家や崖地など、売却・処分が難しい不動産について、状況の整理からご相談をお受けしています。


株式会社リライト

https://www.relight.co.jp/


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