みなさん、こんばんは。
難あり物件コンサルタントの田中です。
今回は島根県大田市で対応した特殊な相続不動産について。
ご相談の始まりは、市役所から届いた境界立会い通知でした。
相談者様は埼玉県在住。
通知が届くまで、その土地を所有している認識はありませんでした。
調査すると、
・昭和2年に祖父が購入
・昭和22年祖父死亡
・相続登記未了
・面積約23㎡
・固定資産税非課税
という状況。
さらに現地確認をすると、共同墓地の一部として第三者のお墓が存在していました。

ここから実務上の問題が始まります。
まず登記地目。
「畑」
でした。
農地の場合、所有権移転や転用には農地法の確認が必要になります。
しかし、この土地については墓地へ変更された際の農地法許可履歴が確認できませんでした。
農業委員会との最初の協議では、
「無断転用であれば原状回復」
つまり墓石撤去、農地復旧という回答。
通常の売買案件であれば、ここで進めることは非常に困難になります。
ただ、現実問題として長年墓地として利用されている土地です。
そこで、
・農業委員会協議
・墓地台帳調査
・役所調査
・現地確認
・利用者調査
を継続しました。
その中で判明したのが、市による国土調査(地籍調査)。
国土調査完了後、現況地目に合わせた整理が行われ、最終的に登記地目は「墓地」へ変更。
農地法上の問題整理につながりました。
次の課題は出口戦略です。
第三者のお墓が存在する土地。
一般市場で売却することは現実的ではありません。
そこで墓地利用者を調査。
お寺、地域関係者などへの確認を進め、利用者様へ連絡することができました。
利用者様は、何代にも渡って使用していたため、ご自身の土地という認識でした。
長期間利用されている土地では、このような権利認識のズレが起こることがあります。
最終的には双方協議のうえ、売買ではなく贈与契約を選択。
所有権移転登記まで完了しました。
今回のポイントは、
「価格がつくか」
ではなく、
「誰に引き継ぐことが最善か」
でした。
地方不動産、農地、山林、墓地、相続未登記不動産では、通常の売買だけでは解決できないことがあります。
出口戦略を考えること。
現地を見ること。
関係者と話すこと。
そこに解決の糸口があります。
今回も改めて感じました。
売れない不動産はありません。(^^)





