困った不動産・ワケアリ物件の駆け込み寺

売れない物件を売却すべく、日々、仕事を楽しみながら思ったことを掲載してしています

 毎年増える売れない困った不動産、ワケアリ物件に対処すべく、特殊なノウハウを駆使し、北は北海道、南は沖縄県まで実際にご相談いただいたことや不動産トラブルにならないための方法、ノウハウを掲載しています。日々、私には他社さんで売れない不動産と言われてしまったお客様からのご相談をいただき、実際にそういった負動産を売却しております。そのため、「困った不動産・ワケアリ物件の駆け込み寺」となっております。こちらのブログにはその駆け込み寺への実際にあったご相談について掲載させていただいております。

市街化調整区域の分家住宅、売却のポイントは・・・

 みなさん、こんばんは。
難あり物件コンサルタントの田中です。


 今回は、市街化調整区域の分家住宅の売却について。
本日、売買させていただいた物件は、市街化調整区域の分家住宅でした。

 まず、市街化調整区域とは市街化を抑制する地域のことで、原則として建物の建築はできません。

 ですが、農家の方が自宅用に建てるものは特別に許可を取得し、建築することができ、これを「分家住宅」と言います。
 市街地にある不動産会社の方は、ほとんど取り扱ったことがない分家住宅。


 売却するにも結構大変です。
 もともと農家の方が自分または直系尊属の居住用に建てたもののため、基本的に第三者が住むことは許可されません。(違反となってしまいます)
 もちろん、賃貸することもできません。
 この状態のままではあくまで古家付土地。


 では、売却するときにどうするのか…。
 行政と協議したうえで「第三者」でも建物を使用できるように許可を取得すれば、戸建として売却が可能。(建物に価値をつけることができます)
 この許可は、都市計画法によるものでいろいろと要件があります。
 1つは、売主様の要件。
なぜ売却するのか、今までしっかりと維持管理がされてきたかどうかなど。
 もう1つは、買主様の要件。
 あくまで自宅用というのはもちろんのこと、他に不動産を持っていないか、なぜこの分家住宅を購入するのか(動機)等が許可のための審査対象となります。


 なお、今回の静岡県富士宮市の分家住宅の案件については、元々建物が新築されたときの許可の取得方法(許認可状況)に疑義が生じており、再三、再四の市役所との協議も空しく、都市計画法の許可の取得ができませんでした。
 そのため、土地と建物で売買しても、建物は原則として使用することができません。
それでも何とか無事に本日ご契約、お引渡しをすることができました。


 いつも思います、分家住宅の売却は難易度が高い…。
繰り返しになりますが、分家住宅の売却のポイントは、売主様の維持管理と売却理由、買主様の購入動機、資産背景です。


 都市計画法の許可要件、難易度は、行政により異なります。
分家住宅でも売却できますのでご安心くださいね。