困った不動産・ワケアリ物件の駆け込み寺

 毎年増える売れない困った不動産、ワケアリ物件に対処すべく、特殊なノウハウを駆使し、北は北海道、南は沖縄県まで実際にご相談いただいたことや不動産トラブルにならないための方法、ノウハウを掲載しています。日々、私には他社さんで売れない不動産と言われてしまったお客様からのご相談をいただき、実際にそういった負動産を売却しております。そのため、「困った不動産・ワケアリ物件の駆け込み寺」となっております。こちらのブログにはその駆け込み寺への実際にあったご相談について掲載させていただいております。

借地権を更地にして返地する前に確認すべきこと

 みなさん、こんばんは。
難あり物件コンサルタントの田中です。


 今日は、借地権の返地時の注意点について。

 私がご対応させていただいている案件で横須賀市の借地権の案件があります。
ご相談者は借地人さん。
 お母様が所有されている借地権付建物を使用しなくなったので手放したい、と。
ただ、この物件は、道路から階段で50段以上登ったところにあります。
しかも築年数も不明の建物に、かつ、土砂災害警戒区域に指定されている…。
 借地人さんがこの物件を手放せるようにいろいろ考えました。
地主さんの土地の所有権(底地権)と一緒に売却できないか、と。
ただ、地主さんは今回の部分のみを売却するためには土地の分筆登記が必要。
 しかも、分筆登記には山1つ分の測量費用がかかってしまう…、地域柄地主さんにとっては底地売却代金より測量費用の方が高くついてしまうため、現実的ではない…。
 そこで借地権付建物を地主さんに買い取ってもらおうと…、先日ご一緒に現地の古家を見学しましたが、建物が崖側に向い傾いている…。
 地主さんは当然、傾いている建物であればいらないので更地にしてほしい、と。
 地主さんが仰られることは最もですね。
 借地人さんも更地にして返地することが当たり前の義務とお考えでした。


 ただ、ここで問題が。
借地権というのは非常に財産権が強いもの。
 そのため、建物を使わなくなったというだけで更地にして返地した場合に何ら税金的なリスクがないか、ということ。
 そこで税務署に相談。
 税務署の職員からの回答がこちら。
・贈与税が発生しないで返地できるのは建物の劣化がひどい場合。
 ※建物が著しく老朽化 → 存続が困難 → 借地権の消滅
  この場合、建物を解体する前にその建物が著しく老朽化しているということを証明できる書類を残すことが大事。
  単純に建物を壊しただけであれば、借地権を贈与したとみなされ、原則贈与税が課税されてしまいます。
  それを防ぐためには例えば、写真を撮影しておいたり、何らかの図面を作成する必要があります。
・まずは建物を取り壊す前に借地人の住所地の税務署に問い合わせをした方がいい。 
・借地権は財産権が非常に強いもの。


 事前の確認でリスクを回避。
借地権の返地、何でも更地にすればいい、というわけではありません。
更地にする前には税金を含めた確認・注意が必要ですね。(^^)